生産者スタッフ紹介
「美味しいお米をありがとう」
農業をやっていて、私が一番喜びを感じる瞬間です。
私は平成20年に公務員を辞めて、稲作農家になりました。多くの知人からは、なんで辞めたのかをよく聞かれます。答えは、単純で、現場に対する強い憧れがあったからです。
公務員時代には、仕事柄、全国の篤農家と呼ばれる方々に数多く出会いました。元々、「職人」や「物作り」を尊敬していた私は、農家の方々の熱い想いに触れて行くうちに、少しずつ農業の現場に惹かれていきます。
そんな中、食品偽装事件が多発し、私も偽装の摘発業務に携わることになりました。そして食品偽装の摘発担当者として着任したとたんに、5件の米偽装事件が発生します。その後も、牛肉の偽装、農産物の産地偽装など、多くの案件が発生しました。食品業界の厳しい過当競争、複雑な流通過程など、いろんな要因がある中で、食品偽装は当時、日常的に行われていたのです。
たくさんの食品偽装の摘発を行う中で、私が思い出したのは、生産の現場で真っ黒に日焼けし、一生懸命に農産物を育てたり、牛や豚などを育てていた農家の人たちのことでした。
価値のある食べ物を作っても、お客様にそのまま届けられていない現状。報われない生産者や知らないうちに欺かれているお客様。
もちろんごく一部の業者によって引き起こされているわけですが、もっと、シンプルな形で価値の高い農産物をそのままお客様に届けたい。それを自分自身でやろうと思い、自分の農園を立ち上げました。私の農園は、水の綺麗な土地、夜と昼の気温差が大きい品質の高い農産物ができる環境、そして私自身が一筆一筆、土をスコップで掘り起こして、肥沃な圃場を選び抜きました。
美味しい農産物をつくるための条件は整いました。あとは、私の腕次第です。
そこで、西田さんという何十年も「ぼかし肥」などの有機栽培で経験のある方に師事しました。とにかく手間と時間のかかる農法ですが、もっともっと美味しくなれ!という気持ちで、日々工夫しながら取り組んでいます。
ぜひ一度、清水農園のお米を召し上がってみて下さい。
清水農園 代表 清水誠一
石川県金沢市出身
農林水産省に入省後、政府米販売、米穀の需給調整、農家の所得補償をはじめとする米穀の助成金交付など、一貫してお米に関する業務に携わる。
その後、牛肉やコメなどの食品偽装事件が多発し社会問題化する中、平成11年に食品表示のJAS法が強化され、所謂食品Gメンの発足当初から食品偽装の摘発業務に従事することになる。
平成20年に農林水産省を退職し、清水農園を立ち上げ、農薬を使用せず、完熟有機質肥料を使った特別栽培米の生産や販売をするほかに、地域農家と実需者との結び付けや、農産物検査員として米の検査・集荷及び販売を行っている。